『自分の土地』
「自分の土地を耕す人はパンに飽き足りる。
意志の弱い者は空を追う。」
(箴言12:11)
土地はその人の生活の基盤を形成するすべてのものを象徴しています。
健康、才能、人間関係、その人の生きる時代など、
ありとあらゆるものが土地という一言にこめられています。
神を知らないとき、自分の土地はどうにもならない運命のように思われるかもしれません。
あるいは、自分で選び取り、獲得したもののように思う人もいるかもしれません。
しかし、神をほんとうに知る人々にとって、それは神が与えてくださったものです。
イスラエルの民にとって、
まさしくアブラハム以来の約束の成就として、
自分に割り当てられた土地です。
その土地には神の恵みの歴史があります。
だからといって、すべての人々に同じ条件の土地が割り当てられたわけではありません。
広さ、豊かさ、安全、いろいろな条件に違いがありました。
しかし、それが「自分の土地」です。
信仰によって、その土地を受けた人々はみな、その土地と共に神の約束を受け継ぎました。
その土地がもたらす実り以上に豊かな実りをもたらす約束です。
その土地を耕す困難にいつも喜びと平安をもたらす約束です。
その労苦において、ますます望んでいる事柄を確信します。
アブラハム、イサク、ヤコブたちが満ち足りて死んだように、
満足と希望の歩みを実現する約束です。
彼らには約束だけがあり、「自分の土地」は希望の中にありました。
それでもやはり、彼らも信仰によって「自分の土地」を耕していました。
「自分の土地」をめぐって、いろいろなことがあるでしょう。
しかし、人の土地をうらやむこともねたむこともなく、
あるいは人と比べて誇ったり安心したりするのでもなく、
信仰によって「自分の土地」を耕して参りましょう。
「自分の土地を耕す人はパンに飽き足りる。」