家族への伝道あるいは信仰継承のために

| HOME | 論壇 | 新年祈祷会 | 祈りの最後の言葉 | 祈りの結びの言葉 | 家族への伝道あるいは信仰継承のために  

『家族への伝道あるいは信仰継承のために』  

 パウロとシラスの語った御言葉は、家族への伝道や信仰の継承に悩む人々に励ましを与え続けてきました。使徒言行録16章に、次のように書いてあります。

「(看守は、)二人を外に連れ出して言った。『先生方、救われるためにはどうすべきでしょうか。』二人は言った。『主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。』そして、看守とその家の人たち全部に主の言葉を語った。」(使徒16:30-32)

ここには、確かに励ましがあります。しかし、牧師として恥ずかしいことですが、その励ましの受け取り方が曖昧であったことに、最近になって気づきました。


 パウロとシラスが入れられた牢の看守とその家族は劇的に回心しました。しかし、回心が劇的に起こるにせよ、そうでないにせよ、基本的な事は同じです。パウロとシラスはこう語りました。

「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。」

これは、

「あなたがしっかり信じるなら、家族も救われる」という意味ではありません。パウロとシラスは、看守だけではなく、その家の人たち全部に主の言葉を語ったからです。看守は確かに御言葉を聞いて、主イエスを信じました。そして、家族の者たちも同様に、御言葉を聞いて、主イエスを信じたのです。


自分で福音を聞くことから、信仰は始まります。

「実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです。」(ローマ10:17)

どんなに私がしっかりと信じようとも、私の敬虔な生活が、家族を救うのではありません。家族の救いを願うなら、いずれにせよ、家族に福音を聞く機会が与えられなければなりません。



 家族への伝道は、確かに困難です。

多くの場合、実際の家族伝道は、何十年にもわたる長旅のようではないでしょうか。その間にいろいろなことがあり、御言葉を伝え続ける勇気や忍耐が失われてくることさえあるかもしれません。子供たちへの信仰継承も同様です。看守の家族は、その日のうちに救われましたが、たとえそれが何十年に及ぶ出来事であったにせよ、基本は同じです。主の言葉が、彼らに対して語られ、彼らによって聞かれなければなりません。身近な人々に御言葉を聞く機会を、私たちが提供できる者となれるように、祈りたいと思います。

「あなたの僕たちが、思い切って大胆に御言葉を語ることができるようにしてください。」(使徒4:29)