『ウエストミンスター小教理問答 第40問』

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『ウエストミンスター小教理問答 第40問』

『ウエストミンスター小教理問答 第40問』 2013年9月22日

問40 神は、人の服従の基準として、何を最初に啓示されましたか。

答 神が人の服従のために最初に啓示された基準は、道徳律法でした。


 まず、心の中に示された

 最初の人アダムは、神にかたどって創造されました。

「神は言われた。『我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。』」(創世記1:26)

神に似せて造られた人間の心が、神の御心と一致していることには、何の不思議もありません。神に似せて造られた人間にとって、神に従うことは自分自身に従うことでした。人の服従の基準は、神に似せて造られることを通して、すでに人の心に示されていたからです。心に善悪の基準を示された者に、細かい戒めなど必要ではありません。神は、アダムにこう命じられました。

「園のすべての木から取って食べなさい。」(創世記2:16) 


そして、ただ一つのことだけが禁じられました。

「ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」(創世記2:17)

なぜ、食べてはならないか? 
理由は一つだけです。神のご命令だからです。
神に従うか否か? 人が決して越えてはならない一線が示されました。

 罪を犯した後

 罪を犯したアダムとエバは、もはや以前のような者たちではありません。
しかし、神に似せて造られた人間が、まったくその姿を失ってしまったわけでもありません。最初の人アダムの心に書き記された道徳律法は、すべての人の心にその痕跡を残しています。

「たとえ律法を持たない異邦人も、律法の命じるところを自然に行えば、律法を持たなくとも、自分自身が律法なのです。こういう人々は、律法の要求する事柄がその心に記されていることを示しています。」

確かに堕落以前とは比べものにならないほどその要求は不明瞭でゆがんでいるし、また自然には従えません。しかし

「彼らの良心もこれを証ししており、また心の思いも、互いに責めたり弁明し合って、同じことを示しています。」(ローマ2:15-16)

しかし、人の心に書き記されていた道徳律法は、罪によって腐敗してしまいましたので、もはや基準としての役割を果たすことはできません。