『ウエストミンスター小教理問答 第22問』

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『ウエストミンスター小教理問答 第22問』

『ウエストミンスター小教理問答 第22問』 2013年2月3日

問22 キリストは神の御子(みこ)でありつつ、どのようにして人になられたのですか。

答  神の御子キリストが人になられたのは、聖霊の御力によって処女マリヤの胎に宿り・彼女から生まれながらも・罪はないという仕方で、真実の体と理性的霊魂をおとりになることによってでした。



 どのようにして人になられたのか?


 キリストが神の御子でありながら、どのようにして人となられたのか。この「どのようにして」は、決して軽んじられてなりません。その特別なお誕生の仕方こそ、キリストがどのような御方であるかをこの上なく明らかに示すからです。

 母は処女マリヤ


 処女マリヤが母でした。
私たちが親から人間としてのあらゆる性質を受け継いで生まれてくるように、キリストもお生まれになりました。キリストは、私たちと同じように苦しみ、悩み、悲しみ、怒り、泣き、笑い、喜ぶ人間です。また、病気にもかかり、怪我もし、癒されもし、そして子どもから大人へと成長しました。すべての点で私たちに同情することのできる御方です。


 聖霊の御力によって


 聖霊の御力によって、処女マリヤの胎に宿りました。天使ガブリエルはマリヤにこう告げました。

「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」(ルカ1:35)

 女から生まれた者の中で、キリストだけが生まれながらに「聖なる者、神の子」、罪のない御方です。


「時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。」(ガラテヤ4:4)

 律法の下に、罪のない義人は一人もいません。ただ偽善者だけが自分を義人だと誤解します。しかし、ここにただ一人、ほんとうに罪のない御方がお生まれになりました。そして、実際に人間としてのあらゆる弱さに苦しみつつも、まったく罪のない生涯を歩み抜かれたのです。

「この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。」(ヘブライ4:15)

このような大祭司こそ、「わたしたちにとって必要な方なのです。」(ヘブライ7:26)