『ウエストミンスター小教理問答 第31問』

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『ウエストミンスター小教理問答 第31問』

『ウエストミンスター小教理問答 第31問』 2012年3月11日

問31 有効召(ゆうこうしょう)命(めい)とは、何ですか。


答  有効召(ゆうこうしょう)命(めい)とは、神の御霊(みたま)の御業(みわざ)です。これによって御霊(みたま)は、私たちに自分の罪と悲惨とを自覚させ、私たちの心をキリストを知る知識に明るくし、私たちの意志を新しくするという仕方で、福音において一方的に提供されるイエス・キリストを私たちが受け入れるように説得し、受け入れさせてくださるのです。



「有効召命とは、神の御霊の御業です。」

  確かに福音のメッセージが宣べ伝えられなければなりません。しかし、人が悔い改めて福音を信じるのは、聖霊の御業です。このお働きが有効召命と呼ばれます。


「これによって御霊は、私たちに自分の罪と悲惨とを自覚させ」


 あのペンテコステの日、人々はペトロの説教を聞いて大いに心を打たれました。数十日前には、「十字架につけろ」と叫んだ人々もいたでしょう。しかし、彼らの罪をはっきりと指摘するペトロの説教を聞いて、怒り出すのではなく、こう言いました。「兄弟たち、わたしたちはどうしたらよいのですか。」(使徒2:37)聖霊の御業です。どのように聖霊が働いておられるかはわかりません。聖霊は自由に働かれます。(ヨハネ3:8)そして、イエスを主と仰いで、主の御前にへり下るようにさせるのです。(第一コリント12:3)

「私たちの心をキリストを知る知識に明るくし」


 人々は本当のキリストを知りませんでした。それゆえに、イエス・キリストを侮り、憎み、十字架につけました。キリストが祈られたとおりです。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」(ルカ23:34)人の心は、キリストを知ることについて目の見えない人のようです。また、世はキリストを指し示すことについて闇のようです。それにもかかわらず、心の目が開かれ、キリストを知ることができるのは、聖霊の御業です。「わたしたちは、世の霊ではなく、神からの霊を受けました。それでわたしたちは、神から恵みとして与えられたものを知るようになったのです。」(第一コリント2:12)

「福音において一方的に提供されるイエス・キリストを私たちが受け入れるように説得し、受け入れさせてくださるのです。」


 救いにふさわしいことを望み、行うようになるのも聖霊の御業です。(フィリピ2:13)このお働きにその身を委ねたパウロは、「キリストがわたしの内に生きているのです」と告白しました。(ガラテヤ2:20)